日本では有り得ない夏の決まり事

 *あかねのイタリ珍プレー*



球目日本では有り得ない夏の決まり事


夏休みって、学生の時しかないですよねー。

そんなの当たり前ですよねー。

でもね、みなさん・・イタリアで働いている人たちは

「夏休み」のために毎日働いていいるんですよ!!

まあ、そんな声高らかに好き勝手な事を言わなくてもいいのだけど。

いや、その通り・・というイタリア人も 少なくはないはず。(というか全員かも・・)

ともあれ夏休み・ヴァカンツァというものに人々は

ただならぬ計画を立て、お金をつぎこみ、普段以上に陽気になるのだ。

それもそのはず、他の町は知らないがあたしの居たミラノでは。

学生ではない、働いていている人たちの平均夏休み日数は、


3週間


え?わからない?ではもう一度・・・


3週間


1ヶ月まるまるお休みですよ、ええ。

あのこれ、思わず適応して普通の事だと思っていましたけど、

ちょっと

変、ですかね?

まあ大体会社でもレストランでもそれだけ休みになるので、

日本人などはその期間に帰国する、いえば1ヶ月も帰国できるわけだ。

働いていたあたしも、3週間お休みだった(なぜか学校の休みはもっと少なかったが・・)

かといって、イタリアに戻って来てまだ3ヶ月なので、帰国というのは考えていなかった。

だが、2ヶ月くらいも前になると周りがヴァカンツァの話題が多くなる。

だがあたしは、そんなお金がかかること・・・と思い、自分は行くつもりはなかった。

空っぽになるミラノに自分は残る。そう思い、周りにもそう言っていた。

いや、しかしなぜだろう。いつ魔がさしたのだろう。

お休みの2週間くらい前になって急に

あ・・あたしも行っちゃおっかな〜〜!

な〜んて、思ってしまったのだ。


とりあえず旅行を思いついてからの頭の中での計画というのは、もうこの上なく楽しいものだ。

しかもあたしは、旅に飽きたら人生に飽きたに等しいが標語のような人間。

ニヤけながらあれやこれやと考えた。

とりあえず、

行き慣れてはいるが、ヴェネツィアには行こう。

これはすぐ決まった。

だが、メインのヴァカンツァ・・・それはやはり

世界遺産のある場所、そしてさらに

国境を、越えちゃおう!

そうなると小さい頃からヨーロッパに憧れているあたしは、

もうあれやこれやと行きたい場所がぽんぽん浮かんでくる。

スカンジナビア、イギリス、ドイツ、フランス・・・

ふぅ・・ 最終的にやっと4つに絞った・・・(え

しかし、大体ヴァカンツァの時期の旅行の手配なんてものは当然、かなり早めから申し込むものだ。

今からできるんかいな、という思いはあったもの・・・

相談がてら、学校帰りに某航空会社のお友達のところへ・・。


さて、その彼に「えー今からァ?」と言われながらも行き先の相談が始まった。

あたしは本当にどこでも良かったのだけれど、その彼と相談したところ・・

スカンジナビア方面は遠いので高い、

ドイツに関して彼の口から勢いよく飛び出して来た言葉は

「ドイツ?何もないよ?」

・・いや、ベルリンのブランデンブルグ門や、フランクフルトのりんご酒、
古城めぐり、マイスターの技術に触れる・・

色々楽しいべや・・・とか思いつつも ふむふむと聞く。

しまいにはイギリスに関してはこうだ。

「イギリス人、イジワルだからやめた方がいい!」

は・・・なんのこっちゃいな。

なんだそれー!とか言っていると、同じ某航空会社のまた違う社員(同じくイタリア人)さんに

「ねえ、イギリス人イジワルだよね」と彼は聞く。

すると当たり前のように

「あーイギリス人イジワル!」

と、まるで同じチームの応援団同士のように賛同するでないの。

へ・・・、なんか知らないけどヨーロッパ人の間では有名なのかしら。

いや、イギリス人やイギリスに住んでいた人からクレームが来るのでは・・・(汗。

まあヨーロッパというのは、陸続きなものの、自分たちの文化に自信を持っている国が集まっている。

だから、他の国より自分の国が一番。みたいのがあるので

そういう由縁なんだろう・・・(?

フォローにならない・・・。

ともあれ・・・。


最後に残ったのはフランス、フランスはその二人ともイイ!と薦めたこともあり・・。

しかもパリなんて!相手にとって不足ないではないですか!

そして航空会社を出た時にあたしはこう思った。


ヴァカンツァ・・・こら・・・

楽しいわ・・・。

何といってもこの、計画するという作業すら楽しい。

イタリア人はこの楽しみの為に毎日働いているんだなーと、

イタリア人の感情にふれたのである・・・。